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言語聴覚療法

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子どもの言語聴覚療法(ST:Speech-Language-Hearing Therapy)とは

言語聴覚療法は、話すこと、聞くこと、食べることの支援を専門としています。

子どもの言語聴覚療法では、遊びを取り入れたやりとりの中で、話を聞く、伝える、気づいたことを共有するなどの場面を設定し、子どもが人と能動的に関わり、「わかった」「うまくできた」「一緒にやったら楽しい」という経験が積み重ねられるよう支援しています。

写真:色選び

当センターの言語聴覚療法について

脳性麻痺、遺伝性疾患、神経筋疾患、自閉症スペクトラム症、注意欠陥多動症など、様々な要因によることばの発達の遅れ、話すことの問題、コミュニケーションの問題を持つ子どもたちを対象としています。

また、聴力障害や、口蓋裂などの口腔器官の問題を併せ持つ子どもたちにも対応しています。

子どもたちのイラスト

発達の状態や困りごとに応じた評価を行い、

  1. ことばの発達を促し、できる事を増やす
  2. ことば以外の方法を使うことで困りごとを減らす
  3. 子どもの特徴に応じて、環境を整える

という3つの視点から支援していきます。

どんなことをやっているの?

ことば

「ことばが出ない」「ことばが少ない」「言われたことが理解できない」などのご相談に対して、どんな表現の仕方をしているか、どんな伝え方だと理解できるか、どんな質問に答えられるかなどを評価します。

そのうえで、ことばにつながる状況の理解や模倣などを伸ばし、ことばの種類を増やし、つなげ、出来事を伝える練習をしています。

また、おうちでの関わりについても提案をしています。
例えば、毎日のやりとりの中でことばを模倣する機会が増えるように、お子さんの発達に応じた言いやすいことばを提案する他、ゆっくり話す、抑揚をつける、動きをつけるといった声かけの工夫も提案しております。

そしておうちでのやりとりの様子をお聞きすることで、日常につながる練習をしています。

写真:絵本について話す様子

ことば以外の表現

写真:トーキングエイド

ことばが出てきていないときでも、子どもたちは、様々な方法で表現しています。見てほしい物を持ってくる、指さし、身振りなど運動での表現の他にも、発声、視線、表情など多様な表現方法があります。

言語聴覚療法では、現在使っていることばだけでなく、ことば以外の表現方法も評価し、そこから種類や使い方を広げるよう促します。
これらの方法で伝える経験は、ことばの基礎としてもとても重要となります。

また、必要に応じて、録音した音声を再生する音声出力スイッチなど、コミュニケーション機器を用いたやりとりの練習も行っています。

話すこと

発音が不明瞭で伝わりにくいようなときは、どんな音をどのように発音しているのかを評価します。

そして言語発達と照らし合わせながら、発音しやすい音から順に練習をしていきます。
発音動作がしやすくなるように、唇や舌、頬などの運動の練習をするだけでなく、しりとりあそびのように、単語を作っている音を意識する遊びを取り入れることもあります。

また、ことばの初めの音を繰り返す、引き伸ばすといった吃症状がある場合は、お子さんが話しやすくなるような聞き方や対応を提案します。
楽に話すための発話方法を練習することもあります。

写真:羽に息を吹く練習

コミュニケーション

写真:洗濯ごっこ

「話すときにこちらを見ない」「場面に合ったことばが出てこない」といった困りごとがある場合は、人と関わる方法を増やしたり、場面を広げたりするよう促します。

例えば、視線が合いにくい時は、お子さんが訴えてきた時にこちらを見るまで少し待つ、できたときにハイタッチをして顔にも注目させるなど、見て伝える場面を作るなどします。

また、会話には「順番に話す」「相手が話しているときは聞く」などの暗黙のルールがあるので、このルールをわかりやすく、見える形で示して会話の練習もしています。

きこえ

当センターの耳鼻咽喉科では、様々な聴力検査を実施しており、乳幼児から実施できる検査もあります。
必要に応じて連携を図り、聴力を確認しながらことばの練習を行っています。

写真:聴力検査

食べること

写真:スプーンから食べる練習

「むせやすい」「丸飲みになる」といった困りごとに対して、実際の食べる場面を評価し、上手に食べるための食形態、介助方法、姿勢などを提案します。

当センターでは、食べることの評価は、言語聴覚士と作業療法士が一緒に行っております。
これにより、口の動きの発達だけではなく、姿勢やスプーンなどの食具の操作など、総合的に評価し練習できるようにしています。

どんな評価をやっているの?

困りごとに応じて、多様な検査の中から必要な物を選択し、組み合わせて評価を行っています。

おもちゃの操作や遊び場面を観察して評価するものから、絵カードや文字を用いる評価まであり、乳幼児期から学童期、成人期まで幅広く検査を行う事ができます。

一定の期間ごとに評価を行うことで、変化した部分を客観的に確認し、練習内容を再検討していきます。

部屋の紹介

言語聴覚療法室(個室)

言語聴覚療法は、集中しやすい環境を整えるため、基本的に個室で実施しております。また、幅広い年齢に対応できるように、様々な大きさの椅子、机を各個室に準備しています。車いすで入室することもできます。ご家族の方にも同席していただき、言語聴覚療法の内容を見ていただけるようにしています。

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